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美容師:エザキヨシタカさん

僕、23歳くらいのときに月収200万を超えたんですよ。

 

ーえ!?本当ですか?

 

20代前半で200万円以上の月収があるのは、普通ありえないことですよね? 美容師じゃなくて、大学を出て大企業に入ったとしても、普通はありえない。 給与体系がいい業界に行ったとして、月収で200万超えるって、20代では無理そうってなるでしょ?

 

ー確かにそうですね。50歳超えないと厳しそうな気がしますね。

 

そうそう。美容師だけじゃなくて、他の色んな職業にも、若くても結果をだせる可能性はあるし、それを底上げをすることはすごく大切だと思うんです。 僕は今、この業界で、その為の取り組みをやっています。

 

 

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  ・・・コンテンツ・・・

⑴美容業界の抱える限界

⑵エザキさんの100年計画 

  ①美容業界の際限を取っ払う

  ②業界全体を底上げする

⑶美容業界の領域を広げるための企画

  ①ラストフライデー

  ②Japan7

 

 

 

エザキヨシタカさん

1985年生まれ。長崎県立長崎東高校、大村美容専門学校卒。大手美容室に入社、1年半でスタイリストに。
その後独立。09年に原宿にヘアサロン『grico』オープン。ファッション誌や芸能人のヘアメイク、美容師講習会の講師も担当。

via  ビューティーを創る10人 : キャリアガイダンス : リクルート進学総研

grico Webサイト     原宿 美容室|grico|グリコ

   

       

 
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1.美容業界の抱える限界

 

 いままで100年くらいの間、美容師は、カット・カラー・パーマを仕事としてやってきてるんだけど、なぜこの業界がそんなに所得が上がらなかったかっていうことについて、まず説明しますね。

 

 1999年に始まった、都内の選りすぐりの美容師が腕を競い合うテレビ番組、”シザーズリーグ”が人気を集めて、これによって美容業界の中にはカリスマ美容師が登場しました。カリスマ美容師っていう憧れの存在が登場したってことの影響力は本当に大きかったのだと思います。カリスマ美容師の登場で、カリスマ美容師を目指したい!と思う美容師が出てきて、業界が活気づいたはずだし、美容師に成りたい!と美容業界を志す人の数も圧倒的に増えました。これは本当にすごいことで、カリスマ美容師という、業界内に憧れの存在を築き上げた大先輩たちには尊敬の気持ちでいっぱいです。

 

 だけど、それを次の世代の人間達もやり続けてきた結果、現在、全てが上手くいってるという訳ではないんです。カリスマ美容師が登場して、カリスマ美容師の方々が在り方を見せ続けてきた中、職人の外側の人たちが「おー、面白い!この業界つかえそう。」ということでスポンサーになったり様々な形で手を結んでいったんです。

 

 カリスマ美容師の方々がいるような大きいお店は、そうやって職人の外側の人たちと手を組んで行ってるから、給料体系としては、職人というより、ホワイトカラーのビジネスマンのような位置づけになりました。 つまり、大きな会社の美容部門の部長を任されたというか、大企業の美容系子会社の社長を任されたというかそういう状態になったんですね。 だから結局、カリスマ美容師の方々以外の多くの美容師の働き方だとか給料体系だとかはそのまま改善されることがなかった。

 

 TV以外のアウトプットできるツールが沢山ある今、美容師の従来の仕事である、カット、カラー、パーマだけをやっていくっていうことだけでは、業界の成長には限界を感じざるを得ません! たとえば、凄腕の美容師 が一ヶ月に600万円売り上げました、っていうと、業界では「うわー、すごい!」って言われるんです。でも、美容師業界じゃなくて車産業だったらどうですか?ウィーン、ガシャ、ポンってアウディーを一台売り上げたのと一緒のことなんですよ。美容業界を他の業種と比較した時に、すごく生産性がないと思います。

 

 

2.エザキさんの100年計画 

①美容業界の際限を取っ払う

 別に、美容師の仕事を機械化して、スピードアップしてしまおう!って言っている訳じゃないですよ(笑)ただ、カットするっていう作業そのものを仕事とするのではなくて、”鏡の前でお客さんという家族と接する”っていう部分、仕事の本質をもっと重視していくべきだと思うんですよね。お客様と一対一でお話できるっていうことは色んな方々をマーケティング対象にできるってことなんですよ!たとえば、早稲田大学の学生、飲食業界の会長さん、ハイブランドのアパレルのビジュアル担当の方、音楽業界の重鎮だとか様々な方々がこのお店に集まって下さっている。それを活かしたいんです。こんな絶好の機会を活かさない訳にはいかないんですよ。

 

 来て下さるお客様をマーケティングの対象にすることで、美容師がそれを活かして商品化する。今だと、gricoではgrico clothingっていう洋服ブランドをやっていたりだとか、電通の方からアドバイスを頂いてイベントをしたりだとか、様々な試みを鏡から産み出しています。これからもっともっと活かし方を増やしていきたいと思っています。

 

 そして、商品化した後のことを考えても、このお店に集まってくれる方々は人から憧れられるようなアイコン的な方々ばかりなんです。だから宣伝力もすごい!今まで以上の、リアルな宣伝力になる。お客様を通して、生の宣伝に繋がるんです。

 

 コマーシャルであったり、その前段階のマーケティングであったり、そういったことを美容師が学んでいけば、鏡の前で生まれることすべてが美容業になる!そうやって美容業の範囲を拡張させていけば、美容業は際限がないんです!!そして今まで以上に関わる家族を幸せにできると思います!

 

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②業界全体を底上げする

 

 たとえばユニクロとかが商売を上手くやってると思うのですが、それはどうしてかっていうと、ブランディングだけじゃ、たとえ長年続いたとしても業界を変える!底上げする!ってところまでには至らないと思うんです。

 

 美容業界でいうと、ブランドサロンと言うのは全体サロンの1,2割なんです。業界を変える為には、一般サロンと言われる、世の中のサロンの大部分にてこ入れしないと始まらないんです。

 

 だからgricoがブランドサロンに位置するだけでは、僕がどうがんばっても業界全体を変えることはできないなって思ったんです。じゃあどうするかって考えたときに、ユニクロみたいに大衆向けのサロンも創ろうと考えたんです。

 

 それで僕も、株式会社をもう一つ設立して”8割がたのサロン”を持つことにしました。gricoは、かっこいいこと、人を魅了することを中心におこなっていく会社です。そういったカリスマ美容師がいるようなサロンをgricoとは別に5店舗、そしてユニクロのような”8割がたの消費者が通っていただけるサロン”を100店舗つくることを目標にしています。そういう風に業界全体を巻き込みながら、gricoが他業種展開を進めっていったら、この業界って変わるだろうなって思っています!

 

 

3.美容業界の領域を広げるための企画

①ラストフライデー

 

 美容師以外の人と関わりを持つ様にしていて、いま行っている企画のうちの1つがLast Fridayっていう企画なんです。

 

 カリフォルニアにLast Thursdayっていうファッションナイトみたいなイベントがあり、地域活性化をすすめるという動きがあるっていうのを聞いて、じゃあgricoではLast Fridayをやろう!って決めて、毎月最終金曜日にgrico×何かでイベントを開き始めました。そしたらもう大盛況。業界内でも新しいことなので、それで取材も増えました。

 

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②Japan7

 

 もう1つ今、日本を代表する広告会社に提案しているのが、日本のすごい人たちを7人集める企画。例えば、美容業界の”すごい人”っていうと業界だけで46万人の方々がいてそんな影響力ある、そんな人が別々の業界から7人集まれば、それってすごく大きな集合体になる。

 

 そして今、それを韓国のDAZEDっていう雑誌に売り込もうとしていて、それが上手く行けば、DAZEDはミラノにもあるから次は韓国からイタリア、アジアからヨーロッパに行ける。そして海外に出して、その評価を日本に逆輸入的に持ち帰ってきて、いろいろな商品化をしていけるんじゃないかなという構想を練っているところです。

  


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interview#4

取材・企画 宮本まどか(@goze_tea)

 

 

 

 

*1:ラストフライデーの際の写真