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VFXスーパーバイザー:秋山貴彦さん (3/3)

  1. インタビュー#3 VFXスーパーバイザー:秋山貴彦さん (1/3) - Artisans of Japan! 
    どうしてVFXスーパーバイザーという職に就いたのか。
  2. インタビュー#3 VFXスーパーバイザー:秋山貴彦さん (2/3) - Artisans of Japan! 
    ”やることすべてが世界初!” 秋山さんの仕事観は?

  3. インタビュー#3 VFXスーパーバイザー:秋山貴彦さん(3/3) - Artisans of Japan!
    CGクリエーターとして世界のトップに立ったその後。 

 

3. 秋山さんの仕事観

Ⅰ.  「映画プロデューサー」「映画監督」
生業にはならなかった、憧れの職
CG ディレクターとして、ハワイで4年間かけて、ファイナルファンタジーの制作に関わったんですけど、その時に世界でまだ誰も成し遂げてないような事をしちゃったんです。世界でトップクラスの映像を作りあげたので、CGクリエーターとしての仕事は一旦ここでけじめを付けて、次に何か他のことをやってみようと思いました。
 

次に何がしたいかというと、それまでは人の作りたい映画のお手伝いをするという立場でしたので、今度は自分の作りたい映画を監督したいと僕は思った んですね。それで、今度は映画監督を目指しました。でも、映画をつくるには、かなりのお金がかかるじゃないですか。ファイナルファンタジーも150億円以上のお金がかかったんです。

 

自分がつくりたい作品をつくるには、お金が必要ってことは分かっていたんですけど、じゃあどうやってお金を集めてくればいいかっていうと、その時はまだやり方が全く分からなかったんです。

 

 

映画プロデューサー

 
それで、僕は映画の配給会社(ギャガ・コミュニケーションズ)のプロダクション部門に入って、まず映画のプロデューサーになりました。そこで、企画、制作、宣伝、公開…すべての流れを一年間かけて体験しました。
 
そこで、いくつか自分でもプロデューサーとして作る映画の企画を立てて、そのうちの1つがHINOKIOという映画でした。この企画は大学の頃から 暖めていた作品で、自分で監督をしたいけど、監督としては無名の新人だからどうやってお金を集めようかと思っていた頃に、タイミングよく、経済産業省で公募があったので、エントリーしたところ企画が通り、パイロットフィルムを作るだけの資金を獲得できることになりました。ところがそれと時を同じくして、その部署がなくなっちゃったのです。 
 

監督

 

制作の段階では、務めていたプロダクション部門がなくなってしまったので、HINOKIOの企画を持って会社を辞め、自分で会社をつくりました。2005年に公開されたので、結局完成までに4年ぐらいかかりました。

だけど、実際に映画を公開してみると、これが厳しかったんですよ。同時期に「スターウォーズ エピソード2」「宇宙戦争」「バットマンビギンズ」と重なったのもあり、思う様にお客さんが集まらなかったんです。原作が自分で、オリジナルだったっていうのもあったかと思います。自分のやりたかった監督としての夢も実現し、自分で原案も書いて、海外での賞や評価もいただき、ビ デオはそこそこ売れましたし、映画については納得の行くものが出来たと思っています。でも、興行に関しては失敗でしたね。
 
その後、韓国に行って、またVFXの監督をしました。その後、目指すはハリウッドだ!という気持ちで2006年末からロスに渡りました。でも、その 当時手掛けていたいくつかの映画企画は、リーマンショック(2008)の影響で資金が集まらず、すべて打ち切りになりました。リーマンショックは自分にとっても本当にショックな出来事でした。
 
そのリーマンショックの時に、映画ビジネスみたいな昔からある既存のビジネスに対して、懐疑的になったんです。インターネットの発達で、コンテンツ を買わずにネット上で見るという方法が広まって、今までのビジネスがどんどん崩れ始めたんですよ。職業そのものが安定しない、新しい時代になったなと思って、既存のビジネスに捕われずに、新規ビジネスをやろうと思って、2010年に新会社4Dブレインを設立し、現在はVFXスーパーバイザーの傍ら、 iPad電子書籍などをつくったり新規事業にもチャレンジしています。
Ⅱ. 趣味人と職人
僕にとって最近、映画監督は職業ではなくて、趣味に近くなってきましたね。 もちろん最初は、映画監督を職業にしようと思っていましたが、実は監督を続けようとした瞬間、食べて行けなくなったんです(笑)。
 
だから、今は職業監督ではないと思っています。 だからこそ、本当に自分がつくりたいものができるまで、映画監督はできないなあと思います。そういう依頼はたまにあるんですが、仕事としてやろうという気にはあまりなれないです。その代わり、VFXスーパーバイザーとしてはお引き受けしています。 得意だったり、好きだったりすることに加えて、それをやって食べて行けるっていうことが仕事だと思います。だから、僕はVFXスーパーバイザーとし て職人ではあっても、職業名として映画監督と名乗るのはまだまだかなと思っています。それでもまだ監督として映画を撮る夢は持っていますけどね。 
 

秋山さんが制作に携わった作品

 


Takahiko Akiyama DemoReel 1990-2008 - YouTube


映画『魔女の宅急便』第2弾予告編 - YouTube

(C) Links 

 
「IGL -Inter Galactic Interface-」について
 

これは、FUJITAヴァンテという建設会社の遊戯施設用に作られた4人乗りのライドシミュレーターの映像なのですが、デザインというテーマで企画、監督させていただいた作品です。インターネットがまだ普及する前に、ネットや非接触型のデバイスを使った近未来のCAD(computer aided design)を視覚化した作品で、その先進性が評価され、1994年モンテカルロIMAGINAという映像のコンペで、ジュラシックパークを抑えグランプリをいただきました。

 

VFXスーパーバイザー:秋山貴彦さん (3/3) 

 

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