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VFXスーパーバイザー:秋山貴彦さん (2/3)

  1. VFXスーパーバイザー:秋山貴彦さん (1/3) - Artisans of Japan! 
    どうしてVFXスーパーバイザーという職に就いたのか。
  2.  VFXスーパーバイザー:秋山貴彦さん (2/3) - Artisans of Japan! 
    ”やることすべてが世界初!” 秋山さんの仕事観は?

  3. VFXスーパーバイザー:秋山貴彦さん (3/3) - Artisans of Japan!

    CGクリエーターとして世界のトップに立ったその後。 
 
Ⅵ. 仕事の魅力 -やることすべてが世界初-
ちょ うど僕が大学生の時期(1980年代)に、CGがテレビのCMとかで使われ始めるようになりました。1987年にアメリカでライフ・オブ・パイVFXを 担当した会社ができたんです。(2013年に潰れてしまったんですけど。)それは僕がトーヨーリンクスに入りCGを始めた年でもありました。

 

その当時僕がつくったものはなんでも世界初なんですよ、あらゆるものが。なぜかというとCGを作る為の機械がもの凄く高価で、ソフトも今のように売っていない。それこそF1のマシーンみたいなものだからそれを扱う人間が世界的に見ても少なかったんですよね。

 

会社に入ってから、やること全てが世界初なわけですから、とにかく面白い訳ですよ。それで結局その会社には8年以上居ました。

 

僕が仕事をしている上でのモチベーションって、新しいことをやるっていうことへのわくわく感かな。CGの世界に入ってから、何をつくっても世界初っ ていう経験をして楽しかったので、誰もやってないことにチャレンジするっていうことが面白いんです。だから今でも誰もやってきたことのないことをやり続けたいという気持ちはすごく強いですね。

Ⅶ. 得意な分野と憧れの世界が繋がった -映画の世界へ-
入社した時は技術を身につけて、すぐにフリーランスになろうと思ったんですよ。それがやってく内にはまっちゃったんです。それで、CGを始めてすぐに、はじめは絵を描く道具だと思っていたモノが、実は映像をつくる道具だってことが分かってきたんですよね。
 

というのは、2次元のCGで絵を描くというよりも、コンピューターの中で、カメラの前に物体を置いて、照明を当てて、その空間の中で絵を作るっていうシステムだったんですね。今で言う、3DCGの元祖と言えるものなんですけど。

 

僕のいた会社は、元々は大阪大学の大村教授の研究室で産まれたオリジナルのソフトウェアとハードウェアを使って映像をつくっていたんです。パソコン を何百台も繋げて、スーパーコンピュータみたいにして、速い処理を可能にするようなものを自社制作していました。それをつかって動く絵(アニメーション) をつくっていました。それはまさにコンピュータの中でバーチャルな映画を作っている様なものでした。やっていく内にだんだんとその仕組みが分かってきまし た。

 

高校の頃から持っていた映画業界で働きたいという思いとそのバーチャルな映画づくりが、そこでリンクしてきました。

Ⅷ. 「VFXスーパーバイザー」

CG プロダクションでの仕事は、最初CMの仕事とか博覧会映像の仕事が多かったんですけど、ある日映画の仕事がくる様になったんですよ。カールスモーキー石井 さんとつくった河童という映画があるんですけど、その時に日本映画として初めてキャラクターを3DCGでつくったんですね。それがジュラシックパークのす ぐ後のことでした。

 

石井さんから映画を作りたいという話があった時に、僕はCGのディレクターというか、CGクリエーターというか、そういう立場でした。だけど、CG でキャラクターをつくるっていうことは、その当時日本映画史上初の出来事だったので、自分が特撮監督のような立場で関わらないと実現できないと思い、今で 言うVFXスーパーバイザーを、その当時は小さい頃から、SFXの世界に憧れていたので、SFXスーパーバイザーという肩書きで務めました。

 

CGの世界から映画の世界に結びついたということで、基本的には自分がやりたいなと思うことをやっていって、気がついたらできる仕事とやりたいことがどんどん繋がってきたという感じです。

2. VFXスーパーバイザーの仕事

よく分かりにくいかもしれないんですが、VFXとSFXというのは映画制作の中での業種として厳密には違うんです。
 

SFXというのは現場で行う特殊効果で、爆破や雨降らし、操演、特殊メイクなどがそれにあたります。それに対して、VFXというのは撮影したものに 対して、あとで処理をする過程がある特殊効果のことで視覚効果ともいいます。昔だとゴジラの尻尾を動かすのがSFXで、ウルトラマンスペシウム光線VFXですね。この違いは、1995年に同じく石井監督のACRIという映画をオーストラリアで撮った際に、始めて知ったのです。それで、ACRIという 映画で邦画では恐らく始めてVFXスーパーバイザーという肩書きを使いました。

 

撮影現場の人に、VFXを使うにあたって、どう撮影すればよいかをアドバイスするのが、VFXスーパーバイザーの仕事です。

 

例えば、いまやっているのは、魔女の宅急便(実写版)のVFXスーパーバイザーです。黒猫のジジは、実はCGなんですけど、撮影の際にはいないジジ をあとで加えることを想定して、監督やカメラマン、時には役者にもアドバイスをします。目に見えない物を後で足し込むわけですから、最終的にこうなります よという話をしたり予め簡単なアニメーションを作って見せたりします。

 

 
 
VFXスーパーバイザー:秋山貴彦さん (2/3)
 
 
interview#3
 
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