Artisans of Japan!

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ピアニスト:大山泰輝さん

 

小学生の女の子の習い事と言えば、ピアノ!というイメージがあるんですが、皆さんはどうでしょうか。趣味がピアノっていうのは、小さい頃、私の周りにはすごくありふれていました。でも、ピアノを仕事にする!となると、ちょっと話は違ってきますよね。どうして、ピアノを自分の職にしようと決めたのか、ピアノを弾くことが趣味以上のものになるってどういうことなのか...

そういったことをピアニストであり、作曲家でもある大山泰輝さんに聞いてきました。

 

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   ・・コンテンツ・・

 

①ピアノとの出会い
②ピアノを仕事にするまで
  -サラリーマン生活の外に魅力を感じた-
③大山さんの仕事観
  ⑴仕事であり、趣味である音楽
  ⑵仕事というのは誰かを幸せにすること
  ⑶感動した自分の気持ちを大切にするということ
④音楽で叶えたい夢

 

(読む時間の目安:2分半)

 

 

 

   ・・・大山さんのプロフィール・・・

 

3月4日、北海道 夕張市生まれ。9歳でピアノを始める。ビリージョエルとの出会いがプロになるきっかけとなる。1993年、活動の場を東京に移し、プロとして本格的に活動を開始する。

 

沢田研二·松山千春·大橋純子·神話(SHINHWA)·Def Tech·BoA·青山テルマ·ケツメイシ·湘南乃風·キリンジ·SMAP·Crystal Kay·松田聖子·EXILE·MINMI·平井堅·杏里·大黒摩季··その他、 数多くのアーティストのレコーディング゙·ツアーサポート及びミュージカルへ出演の他、「女 王の教室」「たったひとつの恋」「相棒」「絶対零度「トライアングル」など、テレビドラマのサウンドトラックや映画「僕の初恋をキミに捧ぐ」の劇中曲、 TBC(山下智久知花くらら出演)のTVCMなどのピアノアレンジ·レコーディングなどを手がけ、ピアニスト·アレンジャーとして幅広く活躍。


近年では、作曲にも精力的で他のアーティストへの楽曲提供も行っている。その一方で、自身のソロワークとして定期的にライブを開催。好評を 博す。ジャズを ベースに、様々な音楽エッセンスをミックスした独自の音楽性と透明感のある表情豊かなピアノの音色は、泰輝自身の心の優しさと大きさ·ユニークな人柄を表 わしており、世代·性別問わず魅了している。

 

via  大山泰輝のプロフィール|Ameba (アメーバ)

 

 

1.ピアノとの出会い

 
——ピアノを始めたのは9歳からということですが、きっかけは何だったんですか?
 

入り口はピアノではなくて、オルガンでした。

 

小学校2年生の時にオルガン教室に通い始めたんです。オルガン教室に通いだしたきっかけは母親ですね。僕は男3人兄弟 の末っ子。母親が芸事がとても好きだった。母親が子どもの頃、新体操やフィギアスケートをやっていたんだけど、金銭的なことで続けられなくて、子どもには 絶対芸事 をやらせたいと思っていたんです。そして、理由は分かりませんが、「男の子には、オルガン」と決めていた。

 

僕が小学校3年生の頃、夕張から東京に引っ越したんですが、東京の感じになじめなかった。僕は覚えてないけど、なかなか友達ができずに、教室の隅に いるよう な子だったみたい。そんな状況を見かねた母親が僕に自信を付けさせようと、ピアノを習うことを提案したみたいです。(北海道から東京への引っ越しの際に、 オルガンの習い事は辞めていた。)

 

今でもそうかもしれないけど、男の子でピアノが弾 けるというのは後ろめたさがありました。友達と遊んでいて、「ピアノのレッスンがあるから…」と切り出せず、休んだことも何度かありました。それでもピアノ自体は楽しくて好きだったので、ずっと続けてきました。

 
 

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2.ピアノ弾くことを仕事にするまで
-サラリーマン生活は、僕に合わないと思った-

ーーどんな出来事をきっかけに、趣味から仕事にしよう!と思い立ったんでしょうか?

 

高校生の時に、何の理由もなく、「これを職業にしよう!プロになろう!」と決めたんです。どういうプロかは分からないけど(笑)

 

うちの父は普通のサラリー マンで、休日は付き合いでゴルフに行ってるような父親でした。そんな父を見て、そういうのはいやだな、(他の人はどうか知らないけど、)少なくとも僕には合わないなあと思っていました。

 

高校生の時にテレビでジャズを見て、かっこいいなあ〜と、ジャズに興味を持ちました。それをきっかけに、北海道の大学のジャズ研究会にどうしても入りたいと思っていて、進学して、ジャズ研に入ったんです。

 

今思うと、大学に在籍していなくても、そのジャズ研には入れたと思うけど、ジャズ研に入るために、大学進学しました。留年してしまったので、5年間 ずっとジャズ研に居たことになりますね。学校は毎日行っていたが、サークルの部室に直行。そんな生活を送っていて、授業はまあ出 ないですよね(笑)「明日テストだ、どうしよう。」って言って、結局、テストすら出ない、みたいな大学生活でした。

 

ーー就職活動はしなかったんですか?

 

いわゆる就活はしなかったです。 友達の付き合いで面接に行ったくらいですね。

 

大学2年生の頃からススキノ(北海道札幌の歓楽街)のカフェやレストランでピアノを弾くアルバイトをしていました。そのアルバイトで稼ぎながら、生活をし ていました。ジャズのスタンダードの曲を、会話の邪魔にならないBGMとして弾く、という仕事内容でした。

 

28歳までは大学を卒業しても、そのアルバイトを続けて生活していました。仕事はちょいちょいありました。仕事がなくて困った記憶はないんですが、このままずっと北海道に居てはよくないかもしれないと思ったんです。それで、父の転勤に便乗するようにして、上京しました。

 
 
 
3.大山さんの仕事観
⑴趣味であり、仕事の音楽
 

ーー音楽以外にバイトをしたりしたことはないんですか?

 

音楽の仕事はいいときはよくて、悪いときは悪いんですよ。波があるので。いまでもバイトをすることはありますよ。たまにバイトに行っても思うけど、僕は容量が悪くて使えないんです(笑)

 

僕から音楽をとったら何も残らない。音楽を辞めよう、辞めたいと思ったことは一度もないですね。

 

ーー音楽以外に趣味はありますか?

 

ないんですよね、それが。(笑)

 

趣味っていうのは「自分の日常とは少し離れたところでリラックスするもの」だと僕は思ってるんだけど、普段の仕事でそれができているから僕には必要ないのかなって考えてます。

 

ーー好きを仕事にすると嫌いになっちゃうっていうケースをよく聞くので、意外ですね。例えば、旅行が好きで旅行会社入ったけど、その後旅行を仕事としか感じなくなって、趣味じゃなくなる..みたいな。

 

それって人間関係が原因じゃない?

 

ーー確かに。

 

僕は、仕事をそれ自体と環境(人間関係など)に分けて、仕事自体を「嫌だ」「嫌いだ」って思うことはないです。

 

ーー音楽家というと、マスメディアを通して、オリジナルなアーティストに触れることは多いんですが、それに対して、大山さんの仕事ってどんな仕事ですか?

 

例えば、ミュージックステーションとかで福山雅治さんの音楽演奏するとすれば、その音楽を成立させる為に、「ピアノのおじさんがこの人じゃないとこうはならないよね!」って思われる”何か”を僕は出したい。


福山さんより前には行かないけど、僕ならではの”色”を、メインを壊さない範囲内で自分を主張する、自分の思いを伝える、そんな仕事です。

⑵仕事というのは誰かを幸せにすること

仕事って”仕(つか)える事”って書くじゃないですか。
 

仕事って”誰か”に仕えることなんですよね。一時的か継続的かは別として、誰かに仕えること。仕事の目的は”誰か”で、仕事の向こう側には必ず人がいる。

 

仕事は、人の為に何かをすること。人の幸せの為に何かをする、 という点では美容師も医者もピアニストも一緒。

 

誰かにとってプラスになる何かをすることが仕事。幸せにしてあげる対価として、ありがとう!っていう意味 で、現代ではお金をもらう。

 

例えば、規模の大きな会社に居ると、仕事の目的が見えにくいケースもありますよね。人を幸せにする仕事をしている人が、自分 の仕事で幸せになっている人を見れないこともあるから。「ありがとう!って言ってもらう」っていう”目的”とその手段である”仕事”がリンクしないってい うのは、悲しいことかもしれない。

 

だけど、人の幸せの為である限り、仕事自体には優劣はないんです。仕事っていうのは、人を幸せにする手段なんです。

⑶感動した自分の心を大切にする

ーー佐村河内さんのゴーストライター問題について、どう考えていますか?

 

音楽や映画、絵を見た時、それで感動したという事実を大切にす るべきだと僕は思うんです。

 

感動したならそれでいい。騙された、という感情を待つ必要はない。”感動した”という気持ちだけを大切にすればいい。なんだかんだ理由をつけて誰かのせいにしたり、非難するの必要はないんです。そこに悪意が存在したことで、音楽の評価が落ちるのは確か。

 

だけど、「動いた気持ち」の評価を下げる必要はない。それは素直に「感動できてよかったね」と思えたらとてもすてきですよね。あのやろう騙しやがっ て、じゃなくて。そういう考え方ひとつで、どれだけ人生得になることか、とよく思うんです。人生の豊かさが断然違うんじゃないかと、僕は思うんです。

 

感動したなら、「あの野郎、騙しやがって」じゃなくて、「耳聞こえたんだよかった、わざわざそういうことをしなくてもよかったのに」と思ってあげたい。

重箱のすみをつつくような、非難の仕方はしたくないです。昔あったCM(下の動画参照)のコピーがすごく好きで、僕もそんな考え方のできる人でありたいです。


ジョニーウォーカー黒ラベル - YouTube


 

 
4. これから音楽で叶えたい夢

ーーこれから叶えたい夢はありますか?

 

これから音楽を通じて、色んなことをしたいですね。

 

音楽で、”コラボレーション”したい。音楽業界じゃない人も巻き込んだコラボレーションをしたいと思っています。

 

現在の音楽はジャンルで分けられています。それに世代によって、聞く音楽が全然違います。

 

僕は、世代を超えた流行歌を作りたい。

 

ーー世界に1つだけ の花の様なイメージでしょうか?

 

できれば、それよりももっと世代を超えて通ずるものにしたい。70代、80代の人が「この曲歌えないけど、聞いたことある」という程度ではなくて、誰でも歌えるというくらいの歌を作りたいです。

 

昭和30年代、40年代の紅白は全国民が楽しみにしてたんです。それは、老若男女誰もが知っている曲ばかりだったから。

 

無理じゃないかと言われているけど、誰でも歌える曲をつくるのが僕の夢です。

 

interview#1

取材・企画 宮本まどか(@goze_tea)